「私は、自分の仕事が大好き!」と、胸をはって言えますか?
「私は自分の仕事が大好き大賞」
このおもしろいタイトルの大会イベントを知ったのは去年のこと。ちょうど専門学校の非常勤講師をしていた頃でした。
「おもてなし」の授業を担当し、接客の心やホスピタリティを教えていたのですが、”教科書通りの内容では、生徒たちの心に響かない”という難しさを感じていました。
「”働くこと”をリアルにイメージでき、仕事をするのが楽しみになる」。そんな導きができないかな、と思っていた頃、あるきっかけで、この「わたしご(私は自分の仕事が大好き大賞)」のDVDを観賞。
大勢の人の前で、「私は自分の仕事が大好きです!!」と、涙ながらに仕事への思いを語る職業人たちの姿に、深く感動。
「・・・これだ!これをみんなに見せよう!」と思いたち、最後の授業で見せた、という事前エピソードがありました。
「私は自分の仕事が大好き!」と胸をはって言えますか?
「わたしご」は、働く大人が「自分の仕事の素晴らしさ」「その仕事をなぜ好きになったか?」「その仕事をどんな価値だと感じているのか?」をプレゼンする場。
プレゼンターとして選ばれるのは、”働くことの喜びを語れる職業人”。エステティシャン、保険業、トラック運転手など、世の中にある様々な職業人の中から、アルバイト、一般社員、経営者といった、役職を問わずに選出されます。
主催者の鴨頭嘉人さんいわく、「輝かしい実績のある人は、お断りをしている」とのことで、誰もが街中で出会えるような、普通の、どこにでもいる働く大人たちに光があたる場なのです。
どこでも会えそうな職業人こそ、偉大なプレゼンター!
2016年10月、昨年までは映像でしか見たことがなかったこのイベントに、実際に参加することができました。
「働く喜びを感じ、伝えたい」という思いに共感し、集まった人々で、会場は熱気にあふれています。ボランティアで運営されているとは思えないほど、スタッフは笑顔にあふれ、誰もがこのイベントを待ち望んでいたという思いが伝わってきました。
安倍総理からの応援メッセージと共にスタートした「2016年、私は自分の仕事が大好き大賞」。さながら、アカデミー賞の授賞式のような雰囲気でした。
プレゼンターは5名。
「美容師」の尾熊英一さん。薬の副作用で髪が抜けてしまったお客様のウィッグをカットしたことから、医療美容への思いに目覚め、「女性が美容院に行くのは、人生が切り替える瞬間」という気づきを、魂をこめ、涙ながらに語っていました。
2番手は、「デンタルカウンセラー」の杉野真由美さん。患者様が喜んで通う奇跡の歯科医院。そのヒミツは、スタッフひとり一人に、家族のように接する”院長”の愛の循環が為したものであることを、明るく語っていました。お子さん4人を育てながら、第一線で働けるパワーも、愛の循環の賜物かもしれません。
3番手は「郵便局員」の三橋直子さん。「毎日同じことの繰り返し」とぼやいていた彼女が、なぜ「毎日会いたくなる郵便局員」になったのか。お客様との何気ない会話を重ねることで、仕事の喜びと価値を感じ、働き方が180度変わった、というお話。太陽のように明るい語り口調の三橋さん。ファンがたくさんいるわけが、わかりました。
4番手は、「居酒屋スタッフ」の上田希さん。心身のバランスをくずし入院生活をおくっていた頃から、「居酒屋てっぺん」で働けるようになった喜び。そしてふたたび現れた試練に、現場を去ってしまった彼女。それでも、どんなときも自分を信じ、支えてくれた仲間との絆物語。きっと言いづらかったお話もあったでしょうに、勇気をだして、聞く人に開示してくださいました。
最後は、「活法家」の樋口匡さん。時を追うごとに、だんだんと光を失っていくという視覚障害を持ちながら、治療院を開業。見えないことで味わった苦労から、自暴自棄になり、家族にあたることもあった葛藤の日々。「ひかり」という名の奥様との深い夫婦愛や、障害を受けいれ生かすことにシフトした彼の成長ストーリーに、会場は涙に包まれました。
子供たちが「働くことが楽しみ!」と思える世の中に
涙なしには聞けない5人のプレゼンを聞き終えたあとは、軽い放心状態に。それでもまだ、参加者にはやるべきことがあります。
それは・・・投票。大賞は、参加者ひとり一人の投票によって決まります。
どのプレゼンターもすばらしく、散々悩んだのですが・・・、5人のなかで最も「応援してあげたいな」という気持ちになった、居酒屋スタッフの上田さんに一票を入れました。思春期の頃、わたしも心身のバランスをくずしたことがあり、彼女の気持ちがよくわかったし、プレゼンからは「人間、何度でもやり直しができる」というメッセージを受けとった気がして、元気をいただいたから。
・・・そして、結果発表。
なんと、大賞に選ばれたのは、わたしも一票を投じた、上田希さんでした!希さん、おめでとうございます!いつか、希さんに会いに、「居酒屋てっぺん 女道場」に伺いたいです!
講演終了後、主催者の鴨頭嘉人さんと記念撮影。たった一度、ご一緒したことがあるだけなのに、私のことを覚えていてくださって「久しぶり~」と声をかけてくださいました。ハートマークと鴨さんの笑顔、最高☆
鴨さんは言います。
「7500人の子供たちに、『早く大人になって働きたい!と、感じている人は手を上げてください。』という質問しても、手を上げる子はひとりもいない。これは、大人の責任。子供たちが働くことが楽しみになる世の中をつくりたい。」
わたしも、ここに深く共感したのです。大好きだったはずの仕事が、やがてルーティンになり、義務になり、疲れるものになる。これは、悲しいことです。
わたしが研修の仕事をしているのも、「死んだ魚のような目をして、店頭に立つ接客スタッフ」を、なんとかしたいと思ったから。
みんな、もっとかっこよくていい。
もっと魅力的になっていい。
もっと輝いていい。
そんな思いをこめて、研修をしています。
だから、輝く職業人の声がつまった、このイベントが大好き!来年も、できる限り会場に出向きたいと思います。
第五回、私は自分の仕事が大好き大賞は、2017年10月10日パシフィコ横浜にて開催。
あなたも、プレゼンターの応援し、働くことが楽しくてたまらない大人になりませんか?
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書籍「私は自分の仕事が大好き」 鴨頭嘉人著 (サンクチュアリ出版)