新幹線”グランクラス”に学ぶおもてなし接客術
全国で開催している接客セミナー。私は常々「優れた接客ができるようになるには、自ら優れた接客を体験するのがいちばん!」とお話しています。
このポリシーのもと、ずっとずっと前から体験したいと思っていた「新幹線のファーストクラス」とも言われるプレミアムシート、”グランクラス”。
こちらに乗車したときのことを、レポートしますね。
たった18席しかない、プレミアムシート
グランクラス車両に入る自動ドアには、頭文字の”G”をかたどった金色のロゴマークと「日本のおもてなし」をイメージさせる、こんな美しい装飾が施されていました。このドアが開く瞬間から、期待が高まります。
車両の中はグランクラス客だけの完全プライベートな空間。切符がないと入ることができないので、残念ながら見学だけ、ということもできません。この特別感がたまりません。
ゆったりとしたシートは、座り心地バツグン。一人一人のスペースがゆったりと確保されているので、シートを倒しても後ろのお客様に影響がありません。完全に独立したシートなのです。最大で45度倒すことができるのでしっかりと眠ることができるし、読書灯やアテンダントの呼び出しボタンもついています。
ただ・・・このアテンダントの呼び出しボタン、つい間違ってさわってしまうお客様が多いようです。この日のアテンダントさんも、何度も呼び出されては「すみません。間違えました。」と帰されてました(笑)。
充実のアメニティ、そして機内食ならぬ車両食?!
私、新幹線に乗るときに必ず持参する3つのアイテムがあります。
それは、ひざかけ・携帯用スリッパ・アイマスク。
なんと!驚いたことに、各座席シートに、この3種の神器がアメニティとして完備。どうして私がいつも使っているものがわかったの?!と思ってしまいそうでしたが、開発の段階で「車両内にあったらうれしいもの」をリサーチしたのかもしれませんね。
しかも、スリッパはふかふか。
「機内食ならぬ車両食」のような、軽食のサービスがあります。
和風・洋風から選ぶことができ、パウンドケーキやおせんべいなどのお菓子もサービスしてくれるので、軽食とはいえ、満足感のあるお食事です。あわただしく駅弁を買って乗り込む必要はありません。
亀田のおかき
アルコールを含む、フリードリンクのサービスもあります。
紙コップではなく、きちんとしたグラスでサービスしてくれるのもうれしい。
着目すべきは、劇場型接客サービス!
ここまで設備といったハード面ばかりをご紹介してしまいましたが、日本のおもてなしと言えば、やはり着目すべきは、アテンダントの接客スキルですよね。
グランクラス車両には一人の専任アテンダントが在中します。おしぼりの提供から、食事のサービス、ゴミの回収、飲み物のサービスと、さながら飛行機のキャビンアテンダントのように、移動の間、それはそれは甲斐甲斐しくサービスをしてくれます。
しかも、たった18席しかないので、なんだか移動の間に”濃い関係”を築いている気がするのです。
目的地への到着時刻間際になると、座席の先頭から乗客側を振り返り、挨拶のアナウンスをしてくれます。
「ご乗車いただき、ありがとうございました。サービスにはご満足いただけましたでしょうか。目的地までの短い時間ではございましたが、皆様の旅の思い出の一ページを飾ることができれば幸いです。」
・・・記憶は曖昧ですが、このようなアナウンスだったはず。
これを聞いた乗客のおひとりが、こうおっしゃっていました。
「思わず、拍手したくなったよね。」
これには、私も同感。
まるで、「グランクラスの接客サービス」という、ひとつの舞台を見終えたような気持ちになりました。
ぜひあなたも、この”劇場型接客サービス”を体験しに、グランクラスを利用してみてくださいね。
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