これで良くなる!新入社員と先輩社員のコミュニケーション
新入社員研修のシーズンも後半。
企業に伺うと、昨年度、新人研修を受講してくださった社員の皆様に再会します。昨年の4月にお会いしたときとは、顔つきも雰囲気も全く違い、成長なさった姿に感動するばかりです。
さて、こうした先輩社員と新入社員。お互いに緊張を持って対面するのだと思いますが、いち早く打ち解けてもらうためには、どのようにするとよいと思いますか?
先輩社員の成長ストーリーが、新入社員の心に響く
実は今年、ある企業で、新たな取り組みをいたしました。
2年目の先輩社員にも、新人研修に参加していただいたのです。
先輩社員には、あらかじめ以下のようなレポートを配布いたしました。
【先輩社員へのアンケート】
1 あなたがこの1年、仕事をしてきた中で、うれしかったことや、やりがいを感じたことは何ですか?
2 「失敗をした」と感じた経験はありますか?その経験から、何を学びましたか?
3 あなたの後輩となる新入社員に「これは、ぜひ伝えてあげたい!」と思う激励のメッセージをお書きください。
当日は、先輩社員の体験発表として、各自、このレポートを発表してもらいました。
まずは、うれしかったこと。
「仕事を任せてもらえるようになった!」
「自分が手がけた商品が世の中で売られているのを見た!」
「上司から質問をされるほど、知識が身についた!」
このような成果を、誇らしげに語ってくださいました。
次に「失敗をした」と思ったことと「失敗から学んだこと」
誰しも、ミスや失敗はあります。新人なら、なおのこと。各自、顔面蒼白になるほどの失敗談があるものの、そこから学んだこと、を強く語ってくださいました。
「小さなことでも、確認することが大事」
「話を聞いてくれた上司に感謝」
「わからないことがあったら、どんどん周りに聞くことが大事」
「ミスを防ぐための、新たなオペレーションを導入した」
これはもう、涙なしには聞けないストーリーばかり。
新入社員の皆様は、先輩の話に釘付けになり、熱心にメモをとっていました。
現場で汗した体験談ほど、新人社員の心に響くものは無い
新入社員にとっては、キラキラと輝く先輩たち。
成果の報告では「自分も1年後、責任ある仕事を任せられる喜びを味わえるのかもしれない!」という期待。
失敗談と、そこから学んだことの体験談では「あんなに立派に見える先輩たちにも、こんなストーリーがあるんだ」という気づき。「先輩の言葉に、”わからなければ相談すること”という言葉が何度も出てきたので、相談しやすい職場なんだと安心しました」という声もありました。
最後に、先輩から新人へのメッセージを伝えてもらいました。
私が特に心に残っているのは、「仕事は、何かひとつでも、自分が楽しいと思えることを見つけることが大事」という言葉。
新人の皆さんもきっと、自分に必要なメッセージを受けとったことでしょう。
先輩の体験発表の時間を設けたことで、新入社員との距離感は、ぐっと近づきました。
研修カリキュラムのヒントにしていただけたら、幸いです。